フランケン生食の与え方

猫のフランケン生食の与え方について解説しています。

フランケン生食のあげ方

  • フランケン生食を初め、ネコに生食をあげるのは市販のカリカリや缶詰をあげるよりもちょっと大変です。生食は冷凍保存しておくので、解凍の手間がかかります。
  • フランケン生食の与え方の大まかな流れは下のようになります。
    時間 やること 説明
    前日の夜 解凍 寝る前に冷凍庫から次の日に食べる分の食材を出し、
    冷蔵庫に移します。
    食事15分前 切り分け 冷蔵庫から一食分の食材を出し、必要ならば切り分けます。
    食事15~10分前 温め ジップロックなどに食材を入れ、ぬるい流水などで温めます。
    食事タイム 食事 ネコさんが食べるのを眺めます。
    食後 片付け ネコが食事を残してしまった場合、
    一定以上の時間が過ぎたら片付けて食器などを洗います。

手順1-解凍

  • 食事をあげる前日の夜、次の日に食べる分の食事を冷凍庫から出して冷蔵庫に移しておきます。一晩たてば、よほど大きな肉塊でない限り解凍されるはずです。
  • ネコが1日に食べる生食の量は、体重の2~4%です。生食は消化されずに排出される割合が少ないので、食べる量が加熱食より少なく済みます。1日にあげる生食の量はネコの体型や活動レベルで異なります。
    1日の食事量 条件
    2%程度 活動レベルが普通で、ネコが痩せていないとき
    3%程度 活動レベルが高く、ネコが痩せていないとき
    4%程度 ネコが痩せていて、大幅に体重を増やしたいとき
    上記の量を1日2回以上に分けて与えます。
  • 食事の量はネコの体質にも大きく影響されます。定期的に体重を測り、太っていたら食事を減らし、痩せていたら増やすなどして調整するのが理想です。
  • 生肉などを室温で解凍するのは危険です。室温では雑菌などが活性化するので、肉の内部が完全に解凍されるまでに肉表面で雑菌が繁殖してしまいます。冷蔵庫では肉を低温に保てるため、室温よりも雑菌が繁殖しにくいです。
  • 前日の夜に食材を解凍するのを忘れてしまい、家に缶詰など他の食事もないときは、水道水でお肉を解凍できます。まず大きなボウルに冷たい水道水をためます。次にジップロックなどに食材を入れ、水道水がジップロックの中に入り込まないように気をつけつつ、袋ごと水につけます。ジップロック内のお肉が完全に解凍されるまで、水道の水を出しっぱなしにしておくか、30分おきにボウルの水を交換します。
  • 水道水で食材を解凍する場合、食材を直接ボウルの水につけるのはNGです。お肉に含まれるタウリンなどの栄養素が水に溶けて失われてしまいます。必ずジップロックなどの袋に入れてから水につけます。
  • 食事が凍ったままの状態でネコにあげるのは避けましょう。凍った肉塊や骨をネコが無理に飲んでしまうと、喉を詰まらせる危険があります。また凍った状態や、とても冷たい食事をネコが食べると、ネコの胃腸がビックリして吐いたり下痢してしまうことがあります。また凍った食事はあまり匂いがしないので、そもそも食べないネコさんも多いと思います。

手順2-切り分け

  • お肉などが完全に解凍されたら、食材を切り分けます。フランケン生食に慣れたネコさんの場合、切り分けずに大きな塊1つをあげても食べられるネコさんもいます。その場合はこの手順は必要ありません。
  • 食事に出すお肉・骨・内臓を包丁かキッチンバサミで切り分けます。私は以前包丁でお肉を切り分けていたのですが、特別な包丁を使ったことはなく、ホームセンターで購入した一度も研いだことのない包丁でした(汗)逆に包丁の形や状態にこだわる人もいるようです。確かに包丁が使いにくいと、肉塊や骨入り肉を切るのはとても危険だと思います。
  • うちのネコさんがフランケン生食に慣れてからは、ネコが大きな肉塊にかぶりつけるようになったので、食事前にお肉を小さく切り分けることはほとんどなくなりました。現在うちでは切り分けに包丁を使うことはなく、腎臓などネコさんがちょっと苦手な食材をあげるときに限ってキッチンバサミで切り分けています。
  • 手羽先など細い骨が入った食材は丸ごとあげた方が、ネコが丸飲みしてしまう事故の確率が下がります。太すぎる骨を切除するなどで切り分けざるを得ないときは、包丁だけで切ろうとすると大変です。何度もギーコギーコしていると包丁の刃にも悪そうです。骨入り肉をジップロックなどに入れ、ハンマーで骨を叩き折ってから、折れたところを包丁で切ると楽です。
  • キッチンバサミを使うと、骨を切るとき包丁よりも安全だと思います。私はハンマーで骨を叩き折ってから、キッチンバサミで折れたところを切っていました。ハンマーで骨入り肉を叩くと大体ハンマーが当たった地点が折れるので、切った後の形を考えつつハンマーで叩きます。
  • 骨入り肉で一番入手しやすいのは鶏の手羽先です。手羽先については手羽先の切り分け方に掲載しています。
  • うちのネコさんは鶏のささみや砂肝は丸ごと食べられるのですが、手羽先は量が多すぎることもありキッチンバサミで2つ以上に切ってあげていたことがあります。また鶏のささみは2つに切り分けて、それぞれの塊にネコさんが苦手な食材を埋め込みフランケンささみにすることもあります。

手順3-温め

  • 生食をネコさんに出す前に室温程度に温めます。冷蔵庫の温度では食材の匂いが弱くて食べないネコもいます。また冷蔵庫から出したばかりの食事をあげると、胃腸が受け付けずに吐いたり、下痢してしまうネコさんもいます。
  • 逆に冷たい食事の方が好きなネコさんや、冷たい食事をたくさん食べても大丈夫なネコさんも存在するようです。ネコは一般的に冷えた食事は食べないといわれることが多いですが、うちのネコも夏に食欲が落ちたとき、冷蔵庫から出した冷たい食事だとよく食べることがあります。ネコさんが冷たい食事の方が好きな場合、この温めの手順は必要ありません。
  • 生食を温めるには、ジップロックと流水を使うことが推奨されています。まずぬるい程度の水道水をボウルにため、食事をジップロックに入れてボウルにつけます。水道水がジップロック内に入り込まないよう注意です。ぬるい水道水を流し続けると、10~15分程度で食事が室温に温まります。
  • 生食をお皿などに入れてラップをかけ、室温で10~30分放置することで温めることもできます。気温などにより必要時間は変わります。この方法はぬるい流水で温めるより時間がかかってしまうため、お肉の雑菌が繁殖しやすく推奨されていません。この方法で温める場合、温める時間がかかってしまう分だけ、ネコさんが生食を食べきらなかったときに出しておく時間を短くすれば比較的安全です。
  • うちでは生食を始めたとき、ジップロック+流水で温める方法が面倒だったため、室温でラップをかけ20分程度放置して温めていました。ネコさんが食中毒にかかったことはありませんが、推奨された方法ではないためマネしないでください(汗)温まるのを待っているネコさんが可哀想になったため、しばらくしてからはジップロック+流水で温めていました。
  • 生食を温めるのに、熱いお湯、電子レンジ、ガスコンロなどの火を使うのはオススメできません。食材の加熱が始まるとタウリンなどの熱に弱い栄養素が破壊されてしまうほか、骨入り肉の中まで火が通ってしまうと加熱された骨となりとても危険です。加熱された骨については、骨の危険に掲載しています。
  • 食事が室温に温まったらネコさんにあげることができます。うちのネコさんは、食事が温まるまでに盗まれないように(?)よく近くで監視しています・・。

手順4-食事

  • ネコさんがお肉を食べている間、こちらは眺めるだけです。食事中は極力大きな音などを出さず、ネコさんが落ち着いて食べられるよう気をつけています。一人で暗いところで食べるのが好きなネコさんには、好みの環境を用意してあげると喜ぶかもしれません。
  • ネコさんが食べるのを眺めるのは楽しいですが、あまり見つめすぎると「お肉を取られるかも」と思われてしまうことがあります。ネコさんが「取られるかも」と心配している場合、慌てて食べて丸飲みする事故を起こしやすくなります。
  • 骨入り肉を丸飲みして喉につかえたことがあるネコの飼い主さんは、食事中に心配して凝視してしまうことが多いそうです。しかし、飼い主さん凝視→ネコさん慌てて食べる→喉につかえる→飼い主さんさらに凝視→ネコさんさらに慌てて食べる→・・・の悪循環となることがあり注意です。
  • 骨入り肉は他の食べ物と比べて危険度が高いので、ネコさんが無理に飲み込もうとしていないか、きちんと噛んでいるか(横目で)見張っておきます。フランケン生食のベテランのネコさんが丸飲み事故を起こすのは珍しいですが、生食を始めたばかりのネコさんが噛めない塊を無理に飲もうとしたり、生食に慣れてきたネコさんが噛むのをサボって生骨入り肉を喉につかえさせることがあります。
  • ネコさんが慌てて食べてお肉が喉につかえた場合、見ているこちらはとても怖いです。ここでネコさんが吐き出した肉塊を取り上げるか、取り上げないか選択が迫られます。取り上げてしまえば、とりあえず現在のネコさんの安全は確保されます。しかし次にお肉をあげたとき、ネコさんが「また取られるかも」と思い、さらに慌てて食べる危険があります。お肉を取り上げずにネコさんが噛んで食べるのを待つのが理想ですが、一度喉につかえても噛むことを学習しないネコさんもいるので危険が伴ってしまいます。早食いのネコさんの場合、生骨入り肉に限り強力な挽き肉機でミンチにしてしまった方が安全です。
  • 大きなお肉をあげると、嬉しそうにくわえて走り去ってしまうネコさんもいるので注意です。お肉と共に消えてしまう特技を持ったネコさんは、ケージや掃除のしやすい部屋に閉じ込めて食事してもらった方が床の清潔を保てます。

手順5-片付け

  • ネコさんが生食を残してしまったら、傷む前に捨てなければなりません。生食を出してから捨てるまでの時間は、飼い主さんによってかなり違うようです。また室温が温かい時期は雑菌が繁殖しやすいため早めに捨てた方がよいです。
  • フランケン生食を出してから30分で捨てる人もいれば、数時間出しておく人もいます。フランケン生食を半日出していても、ネコさんが何ともない人もいるそうです。半日出しておいても意外と大丈夫なのかもしれませんが、その人のネコさんの胃腸が強靭である可能性もあります。
  • ネコは人間よりも生肉由来の食中毒にかかりにくいですが、100%食中毒にならないわけではありません。生食はなるべく早めに片付けた方が安全です。よく残してしまうネコさんの場合は食事が勿体ないですが、健康には代えられません。なので片付けるのは早ければ早いほどいいと思います。
  • うちのネコさんはフランケン生食のとき、慣れていない肉や内臓をあげたとき以外はあまり残しません。残してしまったときは、30分たったら片付けるようにしています。片付けようとすると急いで食べに来るネコさんの場合、食べ終わって少ししたら片付けるフリをすると食べてくれるかもしれません(笑)
  • 食べ残しの食事を捨てたら、お皿を洗います。洗った後に熱湯消毒やアルコール消毒などを行う人もいます。うちでは生肉を切った後のまな板と同じ洗い方をしています。食器用洗剤でスポンジ洗いし、熱い水道水で流して終了です。これで何%殺菌できているかは定かでないのですが、今のところネコ・人間ともに食中毒にはかかっていません。ですが、心配な方はきちんと消毒した方が安心だと思います。
  • 解凍した食事をその日のうちにネコさんが食べきらなかったら、次の日までなら冷蔵庫で保存しておけます。解凍後の生食は、安全性と鮮度を保つために冷蔵2日以内に食べるのが理想です。実際は3日以内くらいでも大丈夫みたいですが、鮮度が落ちて肉から汁が出てきたりするのでオススメできません。

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