フランケン生食
猫のフランケン生食について解説しています。
フランケン生食とは
- フランケン生食[Frankenprey, Prey model] は、ネコの生食の一つの流派です。フランケンという名前は、小説「フランケンシュタイン」の怪物に由来しています(脚注1)。
- ホール生食(ネズミなどを丸ごと食べる生食)とは異なり、フランケン生食では色々な食用動物の肉、骨、内臓を組み合わせて食べます。
- 例えばある日のフランケン生食は、肉と骨は鶏から、レバーは羊から、腎臓は牛からのものを組み合わせて出します。フランケン生食では一度に複数の種類の動物を組み合わせて使用しているため、「フランケン」と呼ばれています。
- 1日の食事で出す肉・骨・内臓が同じ動物のものでももちろんOKです。例えば鶏から取れた肉(ささみ)、骨(手羽先)、肝臓(レバー)、腎臓(背肝)を一緒に出しても大丈夫です。しかし動物の種類を揃える必要はなく、色々な動物を一度に使って問題ありません。
フランケン生食の構成
- フランケン生食では色々な動物をネコに食べてもらいます。このとき食事中の肉・骨・内臓の割合が、一般的に獲物として食べられている動物の体の割合に近くなるようにします。食材の割合はネコだけでなく、イヌやフェレットの生食とも共通しています。
- フランケン生食を実践中の多くの人が使っている割合は「80/10/5/5」です。これは肉/骨/レバー/その他内臓の割合を表していて、重量で肉を80%・骨を10%・レバーを5%・その他内臓を5%という意味です。
- 下表は肉・骨・レバー・その他内臓の具体例です。
分類 例 肉 筋肉(鶏肉・牛肉・羊肉・ウサギ肉など)、脂肪、皮、なんこつ、筋、筋肉内臓(心臓、砂肝、胃) 骨 鶏の手羽先・首・あばら・背肉、ウズラ丸鳥、ウサギ肉などに入っている骨 レバー レバー(肝臓) その他内臓 分泌内臓(腎臓、すい臓、ひ臓、精巣、目、脳) - 特定の栄養素が不足したり欠乏しないために、できるだけ色々な動物のお肉・骨・内臓を使っていきます。フランケン生食では、偏りなく色々な動物をネコが食べることが目標です。
内臓について
- 内臓は大きく分けて、筋肉内臓・レバー・分泌内臓の3種類があります。
- 「筋肉内臓」は心臓、砂肝、胃などです。これらの内臓は主に筋肉からできていてお肉に近いため、肉のグループに分類されています。
- 「レバー」は肝臓のことで、フランケン生食では基本的に食事の5%がレバーです。
- 「分泌内臓」は腎臓、すい臓、ひ臓、精巣、目、脳などです。これらの内臓は、動物が生きていたとき、ホルモンなどの物質を分泌する役割を持っています。分泌内臓は肉・骨・レバーほどは重要ではありませんが、フランケン生食をネコにあげている多くの人が5%程度の分泌内臓を加えています。
- 分泌内臓は他の食材と比べて入手しにくいので、フランケン生食で分泌内臓を使わない人もいます。分泌内臓の代わりに何を使うかは人それぞれで、レバーの割合を5%よりも増やしたり、市販のサプリメントを添加するといった方法があります。
- 狂牛病(BSE)の不安があるため、目や脳は与えるべきではないという考えもあります。
- 分泌内臓の入手しやすさは、住んでいる地域により大きく変わってしまいます。腎臓は一番入手しやすい分泌内臓で、鶏の背肝(あずき)や牛のマメといった名前でも売られています。また精巣は鶏の白子などの形で入手できますが、与える人は少ないようです。目玉や脳みそが販売されていることはほとんどありません(汗)
脚注
- 「フランケンシュタイン(Mary Shelley)」の小説では、主人公のフランケンシュタインが色々な無生物を組み合わせ、生きている怪物を作り出します。この小説に派生して、「フランケン」は無関係の色々な物を組み合わせてできた物体という意味の接頭語として使われることがあります。
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