手羽先の切り分け方

ネコのフランケン生食で使う手羽先を切り分ける方法・コツについて。

手羽先と骨入り首

  • 生肉を塊で食べるフランケン生食では、ネコに骨入り肉も食べてもらいます。鶏の首は、フランケン生食を始めたばかりのネコでも一番簡単に食べられる食材です。
  • 鶏の骨入り首は、食べられる骨が入ったお肉の棒になっていて、棒状なのでネコさんが食べやすいです。また鶏の首に入っているのは1本の長い骨ではなく、たくさんの脊椎が繋がっているので、骨入り肉に慣れていないネコさんでも噛み砕きやすくなっています。鶏の首は骨入り肉に慣れていないネコが初めて食べるのに向いています。
  • 鶏の首の欠点は、他の部位と比べて入手しにくいことです。人間用のチキンの首肉は骨が除かれて販売されていることが多いです。人間用以外では、ペットショップや生食の通販サイトなどでペット用の鶏の骨入り首が販売されていることがあります。
  • 鶏の首が入手できない場合、代わりに手羽先で骨入り肉を食べる練習をすることもできます。鶏の手羽先は骨が細くて軟らかく、首についで食べやすい部分です。とはいえ手羽先は首のように真っ直ぐな棒ではなく、途中で曲がっているため、そのまま食べるとなると難易度はかなり上がってしまいます。そこで手羽先を何ピースかに切り分けて棒状にすることで、慣れていないネコさんでも食べやすくなります。
  • 手羽先を既に丸ごと食べられるネコさんや、骨入り肉に慣れていなくても食べる気満々のネコさんの場合、切らずに丸ごと与えた方が安全です。手羽先を切って小さくすればするほど、ネコさんが噛まずに丸飲みする危険が高まります。

手羽先を切る必要があるとき

手羽先を切るとネコに丸飲みされやすくなり危険ですが、以下の場合は切ることでメリットがあります。

手羽先に慣れていないとき

  • フランケン生食を始めたばかりのネコさんに手羽先を丸ごと出すと、その大きさにドン引きしたり怖がって食べられないことがあります。(人間でも、自分の頭より大きいから揚げが突然出てきたら食べ方に困ると思います・・・。)
  • 手羽先丸ごとでは食べられないネコさんに食べる練習をしてもらう場合、2~6ピース位に切り分けた手羽先のうち、1個だけを出します。小さな手羽先を出すことでネコさんが圧倒されにくくなり、食べてくれやすくなります。また手羽先が曲がっている部分で切れば、切った後それぞれの形が棒状に近くなるため食べやすくなります。
  • 手羽先に対してのネコさんのやる気度が低い場合、食べる気満々のネコさんよりは、切り分けた手羽先を丸飲みしようとしにくいです。

手羽先を食べきれないとき

  • 手羽先1個が大きすぎて一度に食べきれない場合、ネコさんが残した手羽先は捨てることになってしまいます。これでは勿体ないので、2ピース以上に切り分けて別々に出せば無駄がありません。
  • 手羽先を切り分けることで捨てる食材が減る一方で、ネコさんが噛まずに飲もうとして喉につかえる確率は上がります。小さな塊でも注意深く噛んで食べてくれるネコさんなら恐らく大丈夫ですが、手羽先半分くらいの大きさなら飲めると判断してしまうネコさんも多い気がします。
  • ネコさんの安全だけを重視するなら、手羽先を切らずに丸ごと出し、残した分は捨てるのが一番安全です。残した分は捨てずに冷蔵庫に戻し、次の食事で再利用する人もいるそうです。しかし食中毒の危険が高まるので、うちでは念のため再利用したことはありません。

毎日骨入り肉をあげるとき

  • フランケン生食で必要な骨の量は、食事全体の10%程度です。大きな手羽先の場合、毎日1個食べていると骨が多すぎとなり、便秘などを引き起こす危険があります。一般的に骨の割合が多いほど糞は硬くなります。
  • 骨の必要量を満たすために、毎日手羽先の一部をあげるか、数日に1回手羽先1個をあげるか2つの方法があります。どちらでもOKなのですが、元から軟便傾向にあるネコさんの場合、毎日骨を食べることで便の状態が良くなることがあります。また手羽先を丸ごと食べると翌日に便秘を起こすネコさんでも、手羽先を少しずつ毎日食べれば便秘になりにくいです。
  • 毎日手羽先をあげるために2ピース以上に切る場合、デメリットは丸飲み事故の確率が上がることです。丸飲み傾向がとても強いネコさんの場合、手羽先1個を丸ごとあげ、残した分は捨てた方が安全です。

使う道具

  • ジップロック
  • 小さめのハンマー(工作や日曜大工用)
  • 包丁orキッチンバサミ
  • まな板

手羽先のばらし方

手羽先は包丁だけでは切りにくく、うまく切るにはちょっとコツが必要です。ハンマーやキッチンバサミがあると、とても切り分けやすくなります。

  1. 手羽先をジップロックに入れ、平らな机の上などに置きます。
  2. ハンマーを持たない方の手でジップロックを押さえます。私はハンマーが滑ったとき手に当たるのが怖いので、代わりに重い物で押さえています(汗)
  3. ハンマーを持ち、骨を切りたい場所に狙いを定めます。狙った地点にハンマーを振り下ろします。当たった地点付近の骨が折れます。
  4. 手羽先をジップロックに入れたまま曲げてみると、どこの骨が折れたか確認できます。骨折した地点は曲がるはずです。
  5. 狙った地点の骨が全部折れたら、手羽先をジップロックから出してまな板に乗せます。
  6. 骨折地点の周りの皮、脂肪、肉を包丁orキッチンバサミで切ります。キッチンバサミなら、骨が完全に分離せずに少しだけくっついていてもパチンと切ることができます。刃物を使うのでケガに注意です!
  7. お肉の端から鋭い骨が飛び出していないか確認します。ハンマーを使わずにキッチンバサミで無理に切ったりすると、切ったところが鋭くなりやすいです。鋭い骨が飛び出してしまった場合、食べるとき危険なので切り取って捨てます。
  8. どの塊の端からも尖った骨が出ていないことを確認したら、室温に温めてネコにあげることができます。
  9. 一度に全部食べないときは、食べない分はネコにあげずに冷蔵庫に戻しておき、次の日までに食べきります。

※うちでは一度も研いだことのない、ホームセンターで買った包丁を使っているので骨は切断しにくいです(汗)切れ味がよく高性能な包丁の場合、関節部分ならハンマーで叩かなくてもさくっと切れるそうです。

手羽先を切る地点

  • うちではフランケン生食を始めたとき、手羽先を2ピース、3ピース、6ピースのどれかにばらしていました。(ネコが手羽先に慣れてからは、丸ごと与えてばらしませんでした。)
  • 2ピースにするときは、手羽先の関節で切って終了です。細い先の部分はこれだけでも食べやすいみたいですが、手羽中の部分にはまだ骨が2本入っているため食べるのがかなり大変です。
  • 3ピースにする場合、まず手羽先の関節で縦に切って2ピースにした後、手羽中に入っている骨の間を横に斬って骨を1本ずつに切り分けます。
  • 6ピースにするときは、上記の方法で3ピースにした後、それぞれのピースを半分に切って合計6ピースにします。6ピースは手羽先に慣れていないネコさんでもかなり食べやすいみたいですが、丸飲みしても喉につかえにくく、丸飲みのクセがつく恐れがあります。

何ピースに切る?

  • 手羽先を何ピースに切るかは、ネコさんが骨入り肉を食べるのにどれだけ慣れているかによります。切った回数が少ない方が丸飲みの確率が下がり安全です。ネコさんが食べる気を起こしてくれる大きさで、できるだけ大きな塊にしておくのが無難です。
  • 6ピースに切ると初心者のネコさんでも怖がらず、一番食べやすいみたいです。しかし塊が小さめなので、噛まずに飲もうとするネコさんはかなり多いと思います。
  • 切った塊をネコさんが丸飲みしたり、噛まずに飲んで喉につかえた場合、塊を大きくするか、手羽先を丸ごとあげるようにします。
  • 丸飲み傾向の強いネコさんには手羽先を切らずに丸ごと出し、頑張ってかじってもらいます。ヘビ並みの丸飲み根性を持つネコさんに、中途半端な大きさの塊をあげるのはとても危険です。
  • 手羽先の細い方の半分を噛みちぎって丸飲みしようとするネコさんの場合、細い方は人間の手で持って食べさせるか、犬用おもちゃのコングにでも詰めて取れなくしてしまいます。手羽先の太い方を丸飲みしようとするネコさんは、流石にめったにいないと思います。
  • 手羽先を切り刻み、とても小さなピースにするのはオススメできません。噛む練習にならないほか、丸飲みして喉に詰まらせたり、噛まずに飲む癖がつく危険が高まります。
  • 手羽先をあまりに切り刻んでしまうと、骨から肉や皮が離れてきてしまうのも危険です。手羽先の骨にしっかり肉や皮がくっついていた方が、ネコさんが飲み込むとき食道を守るクッションになるため安全です。
  • 生骨を食べるとき、どんなに気をつけても消化器官に詰まるなどの事故が絶対に起こらないわけではありません。慌てて食べるネコさんの場合は特に危険です。どうしても骨入り肉がうまく食べられなかったり、ネコさんに食べてもらう不安が残る場合、フランケンではなくミンチ生食にするか、食材の中で骨入り肉に限りミンチにしてしまう方法があります。一番危険な骨入り肉をミンチにしてしまえば、ネコさんが究極の早食い王でない限り、食材を喉に詰まらせる心配がほぼなくなります。

手で骨を折ると危険!

  • 加熱された骨は縦に裂けやすく、鋭く裂けた骨はネコの消化器官を傷つけることがあるためとても危険です。しかし生の骨であっても、手で無理に折ったりすると縦に裂けて危険です。
  • 骨をハンマーで叩き折ったり、包丁やキッチンバサミで切ったとき、生の骨は縦に避けにくいです。骨を折るとき1点だけに力を加えている限り、生の骨が縦に裂けることはほぼありません。
  • 骨を両手で持って2点に力を加えて折ると、生骨であっても縦に裂けることがあり危険です。
  • 包丁やキッチンバサミで中々切れない骨を切断中、あと少しで切れるというとき骨を手で折って切ると早いです。しかし危険なので手で折るのはやめて、最後まで包丁orキッチンバサミで切りましょう。

関節の危険

  • うちのネコさんが生骨を食べ出したとき、入手しやすい手羽先で練習を始めました。しばらくたったある日、私が手羽先の関節を切るとき失敗して真ん中を切れず、切った後の片方の骨にL字型の関節が丸々残ってしまったことがあります。
  • 真ん中で切れずに残ったL字型の関節は、ネコが噛んでいるうちに骨と軟骨が固まったボールのようになりました。関節ボールは他の部分よりもかなり硬くて中々噛み砕けず、飲み込める大きさでもありませんでした。
  • うちのネコさんは頑張って関節ボールを噛んでいたのですが、30秒くらい経って面倒臭くなったようでそのまま飲み込もうとしました。結果飲めず、喉につかえて吐き出したもののすぐに口に入れてしまい、その後も噛み続けてやっと飲むことができました。ネコさんはあまり気にしていないように見えましたが、喉につかえたのを見ている方はとても怖かったです・・・
  • その後、関節を真ん中で切るのを失敗してしまったときは、関節の部分だけキッチンバサミで切り取って捨てていました。
  • 手羽先関節の軟骨の部分が取り除かれて勿体ないという考えもありますが、できるだけ食べるときの危険を避けたいので仕方ありません。軟骨は鶏の「ひざなんこつ」「ヤゲンなんこつ」としても販売されていて、そちらは幸い喉につかえたことはないためそれらのなんこつを食べています。
  • 手羽先関節のL字型の部分が喉につかえたネコさんは、うち以外にもいるそうです。なのでやっぱり関節は真ん中で切るか、真ん中で切れずにL字になったら取り除いた方がいいと思います・・・。
  • 手羽先を切らずに丸ごと出す場合、手羽先の関節を切り取る必要はありません。ネコさんが手羽先を一方向に食べ進む場合、食べる順序は「先→関節→手羽中」or「手羽中→関節→先」となります。よって関節のL字の部分だけが残ることはなく、丸飲みの心配は少ないです。
    手羽先の先と手羽中を初めに食べ、関節だけ残すネコさんに限り、最後に残った関節ボールの丸飲みの危険があるため注意です。

うちでの失敗談

  • うちのネコさんが手羽先を食べる練習中、あまり噛まずに飲もうとして喉につかえたことがあります。このとき噛むのを推奨するために塊を大きくする必要があったのですが、逆に小さくしてしまった失敗談です。
  • うちのネコさんが6ピースに切った手羽先を食べるのに慣れてきたので、いつもより少し大きめのピースをあげてみました。ネコさんはよく噛まずに食べ、喉につかえて吐き出したものの、再び適当な感じで噛んで飲み込んでしまいました。
  • 生食では一般的に「丸飲みするなら塊を大きく」と言われています。なので私は手羽先を3ピースに切ることにし、塊を大きくしました。しかしネコさんはよく噛まずに食べ、再び喉につかえました・・・。中途半端に大きくしたのでは意味がなかったようです。
  • 本来ならここで、丸飲みしようとしているネコさんに、手羽先を丸ごと1個あげて丸飲みを防ぐ必要がありました。しかし私は、3ピースで喉につかえるなら6ピースに戻そうと考え、その後しばらく6ピースに切った手羽先をあげていました。ネコさんは6ピースの手羽先を完全に噛み砕かずに飲み込んでいて、見ていて不安でした。
  • うちではこの時点までT農園の手羽先を使っていました。E通販で鶏のハツを買ったとき、手羽先も一緒に購入したため、ここから先はE通販の手羽先で食べる練習をすることになりました。
  • E通販の手羽先はT農園の手羽先よりもかなり大きく、骨もかなり太かったです。6ピースに切ったものの、あげるのに不安が残る大きさでした。(ネコさんがギリギリ噛まずに飲める、最も危険な大きさでした。)骨が細い方の部分は大丈夫そうだったので与えたのですが、骨が太い方をあげることはできませんでした。
  • 私は大量に冷凍されている手羽先をどうしようかと途方に暮れました(一応ミンチにする手もありましたが・・)。そこで参考にするため、他のネコさんが骨入り肉や獲物を食べる動画を色々見てみました。3匹のネコさんが手羽を食べる動画も見ました(掲載動画のBARFとはBiologically Appropriate Raw Foodの略で、主にイヌの生食の流派です)。
  • それに加え、食べ物を噛まない人間の幼児についての意見も調べました。慌てて食べる幼児に果物を切ってあげると何個も口に入れて危険ですが、大きな果物を丸ごとあげると少しずつかじって食べるそうです。
  • こうして色々と調べた結果、うちのネコさんは手羽先を切ると丸飲みする傾向があるので、手羽先を切るのをやめようと思いました。
  • その後は手羽先を丸ごと1個あげていました。丸ごと1個の状態なら、ネコさんが丸飲みすることは絶対にありません。唯一の危険は手羽先がかじられて小さくなってきたときですが、通常はそこまで小さくなる前にお腹いっぱいになって残してしまいます。手羽先を全部食べてしまったときでも、最後に残った小さな塊を同じペースでかじり続けてくれることが多かったです。

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