骨の危険

ネコが骨を食べたときの危険について。

ネコが骨を食べたときの危険

  • ネコやイヌが骨を食べてしまったとき、骨が口・食道・胃・腸などの消化器官を塞いだり、刺してしまうことがあります。
  • FDA(アメリカ食品医薬品局)はイヌに骨を与えることに反対しています(脚注1)。※ネコの項目もないか探したのですが、ネコについての記述は見つけることができませんでした。
  • 骨は肉食動物にとって栄養たっぷりのおいしい部分ですが、私も骨は他のフードと比べて危険だと思っています。
  • 生食でネコに骨をあげる場合、色々なことに注意を払い、事故の確率をできるだけ下げることが必要です。人間の食べ残しの骨や、道端で化石になっている骨(?)をネコにあげるのはとても危険です。

加熱された骨の危険

  • 人間の料理の食べ残しの骨など、加熱済みの骨は特に危険です。加熱された骨はもろくなり、ネコが噛むと縦に裂けやすいです。鋭く裂けた骨をネコが食べてしまった場合、消化器官を傷つけてしまうことがあります。
  • 加熱されていない生の骨は縦に裂けにくく、尖った骨で消化器官を傷つけにくいです。
  • 加熱された食べ物は、生の食べ物と比べると消化しにくいことも特徴です。加熱された大きな骨が胃で消化されずに腸まで到達してしまうと、腸の中で詰まってしまうことがあり危険です。
  • 調理により加熱された骨以外でも、長期間放置されて乾燥した骨はもろく、裂けやすくなっているので危険です。ネコに骨をあげるときは新鮮な骨入り肉にしましょう。
  • ネコや他の動物に加熱された骨をあげるのはやめましょう。加熱された骨を食べても何ともなかった事例も多々あるみたいですが、病院送りになってしまった事例も多くあります。

骨が消化器官に詰まる危険

  • ネコに生骨をあげるときは、適切な大きさの骨にします。特に生食でミンチでなくフランケン生食を選択する場合、骨のサイズを間違えてしまうと消化器官に詰まる確率が上がります。
  • ネコにあげる生骨入りの肉は、大きすぎたり、小さすぎるものは避けましょう。ネコさんが噛まないと飲み込めない程度には大きく、でも大きすぎない骨が理想です。
  • 多くのネコさんにとって適切な大きさの骨入り肉は、鶏肉の首や手羽先などです。特に首は生骨に慣れていないネコさんでも食べやすいみたいですが、骨入りの首肉は入手しにくいのが欠点です。手羽先は食べるときの難易度がちょっと上がるものの、入手しやすいです。
  • チキンの骨付きもも肉や、牛など大きな動物の骨付き肉など、大きすぎる骨が入った肉は避けます。特に生骨に慣れていないネコさんは、大きくて噛み砕けないと分かっていても無理に飲み込もうとし、喉に詰まらせる危険があります。また大きく硬い骨をネコさんが無理にかじると、歯が傷ついたり、最悪折れてしまう危険もあります。
  • とても大きな骨をネコが無理に飲み込んでしまった場合、消化されずに腸まで到達し、腸に詰まる危険があります。骨が腸に詰まる事故はほとんどが加熱済みの骨を食べてしまった場合ですが、生の骨でも大きな塊が未消化で残れば詰まる危険があります。
  • 噛まずに丸飲みする傾向の強いネコさんに、小さめの骨をあげることも危険です。ギリギリ飲み込める大きさの骨を噛まずに無理に飲んでしまった場合、大きな骨ほどではありませんが消化器官に詰まる危険が想定されます。
  • ミンチでなくフランケンをあげる場合、裸の生骨をあげることは危険が増すので避けます。ネコにあげる生骨は、必ずお肉や脂肪、皮に覆われている骨にします(鶏の首や手羽先など)。柔らかいお肉は骨を包んでクッションの役割を果たし、ネコの食道を通過するときにスルっと飲み込みやすくなります。適切な大きさの骨がネコの胃まで到達すれば、生骨は素早く消化されるため腸に詰まる心配もほとんどありません。
  • 私はフランケン生食を始める前に、骨の危険について調べまくりました。その一環で、鶏肉の首や手羽先の生骨を食べたことが原因でのネコの死亡例をインターネットで探しました。結果、鶏の生骨が原因の死亡例は、少なくともインターネット上では見つけることができませんでした。しかし子猫が人間用の魚の骨を誤って食べてしまい、喉に詰まらせて亡くなった例を見たことがあります。生骨だったか焼いてあったのかは分からなかったのですが、魚の骨は生でも尖っていて危険だと思うので、うちではあげていません。
  • 生肉や生骨、とった獲物などを食べることを学習済みのネコさんは、生骨を食べていても一生何の事故もないことも多いようです。だからといって、どのネコさんも100%事故を起こさないとはいえません・・・。
  • ネコの性格や個体差もあり、注意深くよく噛んで食べてくれるネコさんの方が生骨を食べるには向いていると思います。丸飲みタイプのネコさんは危険度が上がります。

ネコに骨をあげるのは怖いこと?

  • 生骨はネコの自然の食事の一部で、栄養満点でおいしい部分です。しかし、骨をあげるにはある程度の危険が伴います。一番高確率で起こる事故は、骨入り肉を食べることに慣れていないネコさんが丸飲み事故を起こしてしまうことです。他にも、ネコが何かに驚いた・不安を感じたなどの理由で骨入り肉を慌てて食べてしまい事故を起こすこともあります。
  • 危険なサイズの骨をあげたり、お肉で包まれていない骨だけをあげてしまったり、加熱した骨をあげてしまったり(!)することで、事故が起こる確率は大きく上がってしまいます。適切なサイズの骨入り肉を選び、生の状態であげていて、ネコさんも生骨を食べるベテランだった場合、事故が起こる確率はかなり低いようです。それでも、100%事故が起こらないとは言い切れません。
  • ドライフードを初めとする市販のキャットフードには様々な問題点があります。しかしキャットフードが原因で現在、この日にネコさんが病気になったり、亡くなってしまう確率は低いです(長期的にみれば有り得ますが、キャットフードが原因なのか体質が原因なのか、原因がよく分からないことも多いです)。しかし骨が消化器官に詰まるなどの事故は、一度起こってしまえばその場でネコさんを命の危険にさらしてしまいます。
  • ネコに生食を与えるメリットは大きいです。しかしミンチではなく骨入り肉を与えるなら、どんな危険があるのかを知った上で、できる限り危険因子を取り除く必要があります。早食いタイプでないネコさんの場合、骨入り肉を食べるのに一旦慣れてしまえば事故の確率は低いですが、少なくともカリカリやウェットフードをあげるよりは危険度が高いです。
  • うちのネコさんは過去に生骨入り肉をあげていましたが、現在は骨入り肉に限り強力な挽き肉機でミンチにしています。うちのネコは生骨入り肉が好きで楽しそうに食べていて、歯磨きのためにもできればそのまま与えたかったのですが、後にどんどん食べるのが早くなり、喉につかえさせて危険なので止むを得ずミンチになってしまいました。
  • 生骨をばりばり噛んで食べることは、ネコにとって精神的な刺激にもなります。また挽き肉機で粒の細かいミンチにすると粘りが出て嗜好性が落ちてしまいます。うちのネコもミンチ状の骨入り肉よりもそのままの方が好きなのですが、骨入り肉を喉に詰まらせて病院送りにするわけにはいかず、最悪命にかかわることなので仕方がありません。なので現在は、大きな塊を噛んで食べることはお肉や砂肝などで楽しんでもらっています。

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