プレミアムフード

プレミアムキャットフードと、そうでないキャットフードの違いについて。

プレミアムフードとは

  • キャットフードの袋に「プレミアムフード」と書かれていたり、「プレミアムフード」と宣伝されることがありますよね。プレミアムと言われると、そのフードが高品質だと思う飼い主さんも多いと思います。またプレミアムフードは、プレミアムでないフードよりも値段が高かったりします。
  • ところで「プレミアムフード」「プレミアム」という言葉は法的には定義されておらず、どのメーカーでも使うことができます。言い換えれば、どのキャットフードであっても「プレミアムフード」を名乗れます。
  • ただの「プレミアムフード」以外にも、「スーパープレミアムフード」「ウルトラプレミアムフード」などの言葉が宣伝に使われることがあります。これらの言葉も「プレミアム」同様に法的に定義されていないので、フードに表示されていても特に意味はありません。
  • キャットフードがプレミアムたるためには、ペットフード会社か小売店が「プレミアム」と宣伝すればOKです。プレミアムという言葉に特に意味はないので、プレミアムフードが他のフードと比べて高品質である保障はありません。

プレミアムフードの特徴

「プレミアムフード」と宣伝されたり、巷で呼ばれるキャットフードは以下の条件を満たすものが多くあります。

添加物の条件

  • 合成保存料無添加/不使用
  • 着色料無添加/不使用
  • 人工香料無添加/不使用
  • キレート化されたミネラル使用
  • 生菌剤(乳酸菌など)を添加

原材料の条件

  • 肉骨粉(ミートボーンミール)、肉粉(ミートミール)不使用
  • 副産物不使用
  • 動物性脂肪不使用
  • 人間の食品基準(ヒューマングレード)の原材料のみ使用

「プレミアムフード」と宣伝されているキャットフードが、上記の条件を少ししか満たしていない場合(あるいは1つも満たしていない場合)があります。その場合、そのフードがプレミアムでないフードよりも良質である保障はありません。ブランドによっては、値段が高いだけということもありえます(汗)
逆に「プレミアムフード」と宣伝されていなくても、上記の条件をほとんど満たしているフードなら、市販されているフードの中では良質といえます。

高品質なフードの選び方

原材料の質や製造工程を調べるためペットフード工場に見学に行く・・・のは大変すぎますし、おそらく個人で行ってもOKしてもらえないので現実的ではありません。フード品質の判断材料は、キャットフードの袋や缶、公式サイトなどに表示されているラベルが主になります。


ラベルを利用

分類 条件 説明
栄養バランス 低炭水化物 ラベルの「主成分」にはタンパク質と脂肪の割合が表示されています。そこから炭水化物の割合を計算できるので、なるべく炭水化物が少ないフードを選びます。猫は真性肉食動物なので、炭水化物をうまく消化できません(ドライフードの炭水化物に掲載しています)。穀物などの炭水化物でかさ増ししたフードは安く作れるのですが、品質面では劣ってしまいます。
添加物 合成保存料無添加
着色料無添加
人工香料無添加
合成保存料着色料、人工香料などは、ネコが長期間摂取し続けたときに安全である保障がありません。合成保存料・着色料・人工香料を使用していないキャットフードはたくさんあるので、これらの添加物はなるべく避けた方が無難です。
キレート化された
ミネラル使用
無機物であるミネラルがキレート化されると、アミノ酸などの有機物と結合されます。キレート化されたミネラルは体に取り入れられやすいことが多いです。
生菌剤(乳酸菌など)
を添加
生菌剤は腸内細菌の分布に影響を与え、健全な消化活動を促進します。
一方である調査によると、ラベルや包装に存在を明記されていた生菌が、全て含まれていたペットフードは存在しなかったとのことです(脚注1)。目的の生菌が生きていなかったり、実際は含まないフードを選んでしまうと意味がないため、生菌剤の有無は無視してもいいかもしれません。
またキャットフードの製造国が日本でない場合、海外公式サイトの原材料欄に明記されている生菌の発酵生成物が、日本公式サイトには書かれていないことがあるため注意です。
原材料 肉骨粉不使用
肉粉不使用
肉骨粉(ミートボーンミール)、肉粉(ミートミール)を使用したフードは避けます。肉骨粉・肉粉はどんな動物からできているのかが分かりません。また肉骨粉はペントバルビタールナトリウムを含むことがあります(脚注2)。ペントバルビタールナトリウムはペットを含む動物の安楽死に使われる薬品です。
肉骨粉は様々な動物から製造されていますが、レンダリング工場によっては死亡したイヌやネコを原料にしています。ペットフードに肉骨粉が使用されていた場合、イヌやネコが原料の肉骨粉ではない保障はありません。家畜の飼料として同じ動物からできた肉骨粉を与えることは、過去数十年間で普通に行われてきたことです。
副産物不使用 副産物を使用したフードは避けます。副産物は家畜をと殺したときに出る、法的に人間の食材にはできない部位を含むことがあります。
動物性脂肪不使用 動物性脂肪は、レンダリングにより肉骨粉から分離された脂肪のことです。肉骨粉と同様にどんな動物からできているか分からないため避けた方が安全です。
人間の食品基準の
原材料のみ使用
人間の食材基準(ヒューマングレード)の原材料使用と明記されたキャットフードの中には、そうでないフードと比べて安全性に期待されるフードもあります。
原材料の運搬・保存・製造工程はヒューマングレードでないことがほとんどなので、出来上がったフードが人間の食材基準というわけではありません。

比較サイトを利用

  • 海外には詳しいドッグフード比較サイトがあるため、そのようなサイトを参考にする手もあります(脚注3、4)。キャットフードではなくドッグフードの比較サイトなのですが、フードの品質の参考にはなります。
  • ブランドごとの良い点・悪い点はキャットフード・ドッグフードで共通していることが結構多いです。そのためドッグフード比較サイトを利用して現在使用中のフード・使用を考えているフードの評判を調べることができます。これらの比較サイトでは、原材料の品質・合成添加物の有無・栄養バランスなどを考慮し、★の数で各フードが評価されています。
  • フードの品質の判断基準を明記せずに特定のフードを勧めている比較サイトの場合、そのフードの宣伝サイトかもしれない点には注意です。

脚注

  1. Bacteriological evaluation of dog and cat diets that claim to contain probiotics
  2. Martin, AN 2008, FOOD PETS DIE FOR: Shocking Facts About Pet Food, 3rd edn, NewSage Press, Troutdale, OR (書籍)
  3. Dog Food Reviews and Ratings | Dog Food Advisor
  4. Dog Food Analysis - Reviews of kibble

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