キャットフードの合成保存料

キャットフードに使われる合成保存料と、その危険について。

合成保存料とは

  • 保存料は、賞味期限を伸ばすために使われる食品添加物の1つです。合成保存料は化学的に合成された保存料のことで、人間の食品やペットフードなどに使われています。
  • 保存料には大きく分けて、酸化防止剤と防腐剤の2つの役割があります。酸化防止剤は自然に起こる食品の酸化を防いでくれます。防腐剤はバクテリアなどの微生物による食品の劣化を抑えることで、食品が腐るのを防いでくれます(脚注1)。特に油分は酸化されやすく、脂肪分が多い食べ物は酸化防止剤なしではすぐに食べられなくなってしまいます。
  • キャットフードに使われる合成保存料の例は、BHA、BHT、エトキシキン、硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウムなどです。
  • 合成保存料の中には、発ガン性が疑われるものがあります(脚注2)。キャットフードに使われる合成保存料には、人間の食品への使用が禁止されたものもあります。例えばBHAは、ヨーロッパの多くの国で人間の食品への使用が禁止されています。
  • ドライフード(カリカリ)の賞味期限が長いのは、乾燥しているだけでなく、保存料が添加されているためです。ウェットフードの保存性は缶詰にすることで高まるので、ドライフードよりも保存料が使われることが少ないです。

合成保存料を摂取するとどうなる?

  • 保存料には、食品の劣化を防ぐためにバクテリアなど微生物の活動を抑える働きがあります。これらの微生物の細胞は、ネコの体をつくる細胞と共通点が多いです。そのため保存料により、バクテリアだけでなく、ネコの細胞の活動も抑えられてしまう危険があります。
  • 保存料がネコの体の細胞に影響を及ぼすと、ネコの消化器官などが炎症を起こしやすくなります。また細胞レベルでの慢性的な炎症が続くと、発ガンの可能性があります。
  • 合成保存料は食品中の微生物を抑制すると同時に、ネコの体内にいる、ネコに必要なバクテリアや菌類まで抑制してしまうおそれがあります。健全な微生物の活動を阻害するという意味では、保存料は抗生物質と似ています。

合成保存料を摂取したときの危険

  • FDA(アメリカ食品医薬品局)などの機関は、合成保存料の危険性について検査を行っています。行われている検査は、一度に多量の合成保存料を摂取したときの急性毒性についてです。一方で微量の合成保存料を、数年、数十年と長期間にわたり毎日摂取し続けたときの慢性毒性については、研究があまりありません。また複数の種類の添加物を一度に摂取したとき、毒性に変化が起こるかはあまり知られていません。
  • キャットフードに使われている合成保存料はとても少量なので、それを食べたからといってネコが急に病気にかかることは考えにくいです。しかし少量でも数ヶ月、数年と食べ続けたとき、健康に問題が起こらない保障はありません。
  • 食品添加物の研究データはネズミや人間のものが多く、ネコについてはよく分からないことも多いようです。どのくらいの量の合成保存料を、どのくらいの期間にわたりネコが摂取し続けると健康被害が起こるかは知られていません。
  • キャットフードに含まれる合成保存料は微量なので、ネコに害を与える心配はないと明言する製造元もあります。確かに、そのキャットフードに含まれる合成保存料でネコが病気になるという証拠はありません。しかし、その合成保存料が全てのネコにとって、一生摂取し続けても安全である保障もありません。また、仮にネコが合成保存料が原因で病気になったとしても、急性毒性でなければ原因が特定されることは考えにくいです。
  • 合成保存料に限りませんが、一部の食品に添加物が多量に含まれてしまう事故が起こることがあります。市販のキャットフードに合成保存料が多量に含まれていたため、食べたネコが死亡してしまった例も過去にあります(脚注3)。
  • 添加物に敏感かどうかは、ネコの体質にも大きく影響されるようです。あるネコさんが合成保存料を多く摂取して平気だったとしても、他のネコさんも健康でいられるとは限りません。

合成保存料の避け方

  • 合成保存料の危険性については、科学的な検証がまだまだ必要です。予防原則の考えで、人間やネコの食事から合成保存料をなるべく減らそうという人も増えているようです。
  • キャットフードの中には、「合成保存料無添加」と明記された製品もあります。特にプレミアムフードによく表示されています。
  • 「合成保存料無添加」と書かれていても、合成保存料が含まれるキャットフードもある点には注意です。原材料の段階で合成保存料が添加されていて、製造時に新しく添加されることがない場合、そのキャットフードは「合成保存料無添加」となります。原材料に保存料が添加されていることを、ペットフードメーカーが知らなかった例もあるそうです。(でも逆に考えれば、合成保存料無添加でないキャットフードは、原材料と加工で二重に保存料が使われるってことですよね・・。)
  • ネコの食事に含まれる合成保存料を絶対に避けたい場合、信頼できるお店から人間基準の食材を購入し、手作り食にするしか方法はありません。

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