キャットフードの合成保存料一覧

キャットフードに使われる合成保存料の一覧と、用途や毒性について。

キャットフードの合成保存料

  • キャットフードの合成保存料には色々な種類があります。合成保存料には、大きく分けて酸化防止剤と防腐剤があります。1つで両方の働きをする保存料もあります。
  • 酸化防止剤は、主に油分・脂肪の酸化を防ぐことで食品を長持ちさせます。
  • 防腐剤はバクテリアや菌類など微生物の増殖を抑えることで、食品を腐りにくくします。

酸化防止剤の一覧

保存料 用途 危険
BHA
(ブチルヒドロキシアニソール)
  • 食品中の油脂の酸敗を防ぎます。
  • 発ガン性が疑われています。
  • 米国カリフォルニア州はBHAを発がん性物質として認めています。(脚注1
  • ヨーロッパの多くの国では、人間の食品への使用が禁止されています。日本でも禁止されるはずでしたが、諸事情により禁止されませんでした。
BHT
(ジブチルヒドロキシトルエン)
  • 食品中の油脂の酸敗を防ぎます。
  • 食品以外では、化粧品やゴムの添加物としても使用されます。
  • 発ガン性が疑われていますが、研究によって対立する結果となり確証はないようです。
エトキシキン
  • 主にペットフードに使用され、食品中の油脂の酸敗を防ぎます。
  • 食品以外では殺虫剤に使用されています。
  • アレルギーや発がんなどの薬物副作用が疑われています。
  • 肝臓へのヘモグロビン関連色素の蓄積と、血中の肝臓系酵素の増加が報告されています。これらの変化が健康に問題を及ぼすとは考えられていません。(脚注2
  • オーストラリアとヨーロッパ諸国では、人間の食品への使用が禁止されています。
没食子酸プロピル
  • 食品中の油脂の酸敗を防ぎます。
  • 食品以外では、化粧品や接着剤に使われています。
  • キセノエストロゲンであることが確認されています。エストロゲンは女性ホルモンですが、キセノエストロゲンはエストロゲンと似た働きをする物質のことです。
  • 乳癌の発がん性が疑われています。(脚注3、4
TBHQ
(tert-ブチルヒドロキノン)
  • 食品中の油脂の酸敗を防ぎます。
  • 食品以外では、合成樹脂や塗料に使われています。
  • 胃癌の発がん性が疑われていますが、他の発がん性物質によるガンの発生を抑制するという研究結果もあります。

防腐剤の一覧

保存料 用途 危険
硝酸ナトリウム
  • 主に肉に添加されます。
  • 食品以外では化学肥料などに使用されます。
  • 硝酸塩を添加した肉の摂取と大腸がんの関連性が指摘されています。(脚注5
亜硝酸ナトリウム
  • 主に肉に添加されます。酸化防止剤や発色剤にもなります。
  • 食品以外では、染料や殺虫剤などに使われています。
  • 硝酸塩を添加した肉の摂取と大腸がんの関連性が指摘されています。(脚注5
安息香酸
  • 清涼飲料などに添加されます。
  • プラスチックの生産にも使われています。
  • ネズミと比べ、ネコは安息香酸・安息香酸塩への耐性がとても低いです。ネコの致死量は体重1kgにつき300mgとも推定されます。(脚注6
安息香酸ナトリウム
  • 炭酸飲料やピクルスなどに添加されます。酸性の食品中で効果を発揮します。
  • アスコルビン酸(ビタミンC)と安息香酸ナトリウムが併存すると、ベンゼンが形成されます。ベンゼンは発がん性物質です。
  • ネズミと比べ、ネコは安息香酸・安息香酸塩への耐性がとても低いです。ネコの致死量は体重1kgにつき300mgとも推定されます。(脚注6
安息香酸カリウム
  • 炭酸飲料やピクルスなどに添加されます。酸性の食品中で効果を発揮します。
  • アスコルビン酸(ビタミンC)と安息香酸カリウムが併存すると、ベンゼンが形成されます。ベンゼンは発がん性物質です。
  • ネズミと比べ、ネコは安息香酸・安息香酸塩への耐性がとても低いです。ネコの致死量は体重1kgにつき300mgとも推定されます。(脚注6
ソルビン酸カリウム
  • ワインなどの飲料や様々な加工食品に添加され、カビや菌類の増殖を抑えます。キャットフードにも添加されています。
  • ソルビン酸カリウムは、ソルビン酸のカリウム塩です。ソルビン酸よりもソルビン酸塩の方が水によく溶けるため、塩の形態でよく使われます。
  • ソルビン酸カリウムはとてもよく水に溶けるため、50%濃度の溶液にして保存できます。またその水溶性から、水分を多く含む食品の保存に優れています。
  • 肌や目に触れると炎症を起こすことがあります。また呼吸器官に入ると炎症を起こすおそれがあります。
  • 生体外の実験では、人間の末梢血リンパ球に遺伝毒性を持ちます(脚注7)。
  • ソルビン酸カリウム、ビタミンC、鉄の塩(Ⅱ・Ⅲ)が併存すると、DNAに損傷を与え突然変異を起こす物質を形成します(脚注8)。ソルビン酸カリウム、ビタミンC、鉄の塩(Ⅱ・Ⅲ)はよく食品に共に添加されています。
プロピオン酸
(プロパン酸)
  • カビやバクテリアの増殖を防ぎます。
  • 人間用の食品や動物の飼料、ペットフードなどに保存料として使われます。防カビ剤としても使われています。
  • プロピオン酸はそのまま添加されるほか、ナトリウム、カルシウム、アンモニウムなど塩の形で添加されることもあります。
  • プロピオン酸は生物によって合成されます。例えば人間の大腸で、食物繊維のバクテリアによる発酵で合成されています。
  • プロピオン酸は自然界に元から存在する物質です。しかし食品に添加されるプロピオン酸は工業的に生産されたものであり、自然保存料としては見なされていないようです。
  • プロピオン酸は腐食性薬品です。肌に触れたり呼吸で吸い込むことで、肌・目・鼻・のど・肺などに炎症を起こすおそれがあります(脚注9)。
  • プロピオン酸は米国ニュージャージー州保健省SHHSL(Special Health Hazard Substance List)に掲載されています(脚注10)。SHHSLは各種の危険・毒性が想定される物質の一覧です。
プロピオン酸カルシウム
  • カビやバクテリアの増殖を防ぎます。
  • パンなどの加工食品に添加されるほか、キャットフードにも添加されることがあります。
  • プロピオン酸やプロピオン酸ナトリウムと異なり、プロピオン酸カルシウムは刺激物ではありません(脚注11)。
プロピレングリコール
  • アイスクリームやその他乳製品などに添加されています。
  • ネコの赤血球中にハインツ小体を形成することが確認されています。(脚注12
  • ほとんどのペットフード会社は、1992年にキャットフードへの添加を中止しています。(脚注13

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