魚油サプリメントの選び方

猫のフランケン生食で、オメガ3脂肪酸補給のために与える魚油サプリメントの選び方。

魚油サプリでオメガ3脂肪酸を補給

  • フランケン生食では魚や魚油サプリを適量与えることで、魚のオメガ3脂肪酸を食事に取り入れることが推奨されています。
  • 市販されている肉の多くは大量生産された家畜の肉なので、ネコの自然の獲物と比べてオメガ6脂肪酸の割合が高すぎます。魚のオメガ3脂肪酸を食事に取り入れることで、オメガ3:オメガ6の比率をネコの自然の獲物に近づけることができます。
  • 一方で魚はネコの本来の獲物ではなく、魚を習慣的に与えるのはネコの健康に良くないと考えられています。魚の代わりに魚油サプリを取り入れることで、ネコに与える魚の量を減らすことができます。

オメガ3脂肪酸の含有量

魚油サプリメント1000mgあたりに含まれるオメガ3脂肪酸・EPA・DHAの例です。

サプリメント オメガ3脂肪酸 EPA DHA 用途
ネイチャーメイド
スーパーフィッシュオイル
300mg 150mg 100mg 人間用
NOW Foods
ウルトラオメガ3フィッシュオイル
750mg 500mg 250mg 人間用
NOW Foods
サーモンオイル
200mg 75mg 90mg 人間用
FISH4DOGS
SOS サーモンオイル
267mg 63mg 102mg ペット用
NOW Foods
ネプチューン オキアミオイル
230mg 120mg 70mg 人間用

表のオメガ3脂肪酸・EPA・DHA含有量は、各サプリメントの公式サイトなどに掲載されています(脚注1~5)。

魚油サプリの種類

使えるサプリメント

  • フランケン生食でよく使われる魚油サプリは、フィッシュオイル・サーモンオイル・オキアミオイルの3種類です。
  • フィッシュオイルは数種類の魚から製造されていることが多いです。一般的にイワシ、アンチョビ、サバなど小さめの魚から製造されることが多いですが、マグロなどの大きな魚から製造されることもあります。
  • サーモンオイルはサケから抽出されます。サーモンオイルの多くは、天然ではなく養殖の鮭から製造されたものです。
  • オキアミオイル(クリルオイル)はオキアミから作られます。オキアミとは、小さなエビのような姿をした甲殻類です。オキアミオイルは他の魚油とは異なり、天然由来の抗酸化物質であるアスタキサンチンを含むのが特徴です。オキアミオイルはネコの関節炎を和らげるために勧められることがあります。
  • サーモンオイルやオキアミオイルは、フィッシュオイルよりも主原料がはっきりしているという点で好まれることが多いです。

使えないサプリメント

  • 肝油はビタミンAが高すぎるので使うと危険です。肝油とはタラなどの肝臓から抽出した油分のことです。魚油サプリの代わりに肝油を使ってしまうと、ネコがビタミンA中毒を起こすおそれがあります。
  • 亜麻仁油(アマニ油、フラックスシードオイル)をはじめとする植物油は使いません。ネコは亜麻仁油など植物由来のオメガ3脂肪酸をうまく利用できません。
  • 亜麻仁油はオメガ3脂肪酸の1つであるALA(α-リノレン酸)を含みます。人間は体内でALAをEPAやDHAに変えることが一応できますが、転化率は10%に満たないと考えられています。イヌやネコも同様にALAをEPAやDHAに変換する能力は低いとされます(脚注6)。
  • EPAやDHAの恩恵を受けたい場合、オメガ3脂肪酸としてALAではなく、EPAやDHAを直接摂取する必要があります。ネコがALAから受ける恩恵についてはよく分かっていないことも多いため、フランケン生食ではDHAやEPAの恩恵を受けられる動物由来のオメガ3脂肪酸が推奨されます。

選び方のコツ

  • オメガ3脂肪酸の含有量が明記された魚油を選びます。含有量が書かれていないと、その魚油サプリでネコが摂取できるオメガ3脂肪酸の量が分かりません。オメガ3脂肪酸の量が分からずに過剰摂取を続けてしまうと、副作用のおそれがあります。またオメガ3脂肪酸が少なすぎる魚油は与えても意味がありません(汗)
  • フィッシュオイルが瓶に直接入っているタイプではなく、カプセル詰めされたタイプのサプリメントを選びます。瓶などの容器に直接入っている魚油は酸化しやすく、使い切るまで鮮度を保ちにくいことが多いです。カプセル詰めされた魚油サプリなら長期間鮮度を保てます。
  • 魚油にビタミンが添加されたサプリは避けます。フランケン生食では食事中にビタミンが十分含まれているので、サプリメントで摂取してしまうとビタミン過剰となる危険があります。
  • 水銀などの汚染物質を含まないか、汚染物質の濃度が危険でないことを検査済みのサプリメントは安全性が高いです。
  • 保存料や着色料などの添加物が入った魚油は避けます。
  • 香料が添加された魚油サプリは避けます。魚油サプリによっては、人間が摂取しやすくするためレモン味などの香りが添加されていることがあります。
  • NRC(全米研究評議会)はイヌやネコが摂取するEPAとDHAの合計のうち、EPAが60%を超えるべきではないと指摘しています(脚注7)。この主張を裏づける研究が存在するのかは不明です。EPAが60%を超える魚油サプリを与え続けたとき想定される副作用も分かっていません。
  • EPAとDHAの合計に対し、EPAの割合が60%よりも高い魚油サプリは多いです。そのためEPAの割合については無視されがちです。EPA:DHAの理想比率は未だ分かっていませんが、どちらもネコの健康に必要な脂肪酸なので、あまりにDHAが少ないサプリメントは避けた方がいいかもしれません。

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