内臓ボール
ネコのフランケン生食で、ウェットフードを使って新しい食材に慣れてもらう方法。
内臓ボールとは
- 内臓ボールは、具に凍った内臓を詰め込んだ肉団子のことで、うちでは勝手にそう呼んでいます(笑)フランケン生食でネコさんが新しい内臓を食べてくれないとき、ウェットフードでお団子を作り、具に内臓を入れることで慣れてもらいます。
- 内臓ボールを使うには、ネコさんがウェットフードで作った肉団子を食べられることが必要です。生肉の塊を食べられるネコさんなら、ウェットフードの肉団子も多分食べられると思います。ネコさんがウェットフード団子をうまく食べられるか分からない場合、まずは具無しでミートボールを作り、食べられるか確認しておきます。
- フランケン生食のデメリットの1つとして、新しい食材を混ぜ込みにくいことが挙げられます。特に内臓は初め苦手なネコさんが多いみたいです。内臓ボールは、ネコさんが内臓など新しい食材を食べてくれないときに使える方法の1つです。
内臓ボールの作り方
- ネコさんに食べてもらいたい内臓を解凍しておきます。半解凍くらいでもOKです。
- 内臓を小さなカケラに切り分けます。カケラ1個が0.5g~1gくらいになるようにします。初めはもっと小さくてもOKです。
- 内臓を切り分けたら、1つ1つのカケラを密閉容器に入れ、使うまで冷凍しておきます。内臓を密閉容器に入れるとき、隣同士のカケラがくっつかないように分けて入れます。冷凍時にくっついてしまうと、使う前に個別に取り出しにくくなってしまいます。
- 食事の準備のとき、ネコさんが好きな缶詰をお皿に出します。ウェットフードが冷蔵庫に入っていて冷たい場合、室温で少し温めて匂いを強めておきます。
- 肉団子1個分のウェットフード上に凍ったままの内臓1かけを乗せます。両手でおにぎりのように握り、団子状にします。具が外から見えていなければ完成です。
内臓ボールのメリット
- 缶詰のウェットフードは生肉よりも匂いが強く、内臓の匂いを隠してくれやすいです。ネコさんが内臓入りのフランケンささみを拒否してしまっても、内蔵ボールなら食べてくれることがあります。
- 内臓ボールでは、内臓の小さなカケラを凍ったまま具にできます。凍った内臓は、生の内臓よりもかなり匂いが少ないためネコさんの拒否度も弱まります。ネコさんが凍った内臓に慣れてきたら、徐々に解凍していくことで生の内臓に慣らすことができます。
- ネコさんが内臓を単体で食べられなくても、内臓ボールにしてあげることでフランケン生食の内臓必要量を満たすことができます。フランケン生食で必要な内蔵はレバー5%・その他分泌内臓5%だけなので、1日の必要量はあまり多くありません。
内臓ボールのデメリット
- 内臓ボールに使うウェットフードの値段によっては、フランケンささみよりもお金がかかってしまいます。高品質とされるウェットフードは鶏肉よりもずっと値段が高いです。ネコによっては新しい食べ物に慣れるのが遅く、ネコさんが残したウェットフードを何度も捨てることがあります。なので安いフランケンささみの方が残されたときの経済的&精神的ダメージが少ない傾向にあります。
- 内臓ボールの具にする内蔵は新鮮なものを使うので、何度も小さく切って冷凍する作業をする必要があります。何度もやっているとちょっと面倒になってきます・・。
内臓ボールのコツ
- 凍ったままの内臓をあげる場合、大きなカケラをあげるとネコの喉に詰まってしまう恐れがあり、とても危険です。凍ったままあげるときは必ず十分小さなカケラにし、大きなカケラを使う場合は解凍してからにします。
- ネコが凍った内臓で喉を詰まらせたり、噛んだとき歯がかけてしまうことが心配な場合、内臓が半解凍くらいになってからあげると安心です。
- 初めは30gくらいのウェットフードに具を詰めて内臓ボールを作ります。ネコさんが嫌がったらウェットフードの量を増やします。ネコさんが慣れてきたら具の量を増やすか、ウェットフードの量を減らします。
- なるべく1個ではなく、複数の内臓ボールを作るようにしています。1つの巨大な内臓ボールにしてしまうと、ネコさんが食べなかった場合それで終了です。ボールが複数あれば、1つは食べなくても、ネコさんが別なボールを食べてくれることがあります。
- 内臓ボールを作った後、少しの間常温に放置しておくことで具が解凍されていき、状態が変わります。ネコさんが凍った内臓に慣れてきたら、徐々に半解凍→解凍→常温生と進んで慣れてもらいます。最終目標は、ネコさんが常温生の内臓を食べられるようになることです。
- ネコがウェットフードだけ食べて具を残してしまったら、その回は諦めて具を捨てています(汗)ネコさんが慣れていないものを強制的に食べさせると、食事の楽しみを奪ってしまうので無理は良くないと思います!
- ネコさんが具の内臓を何度も残してしまっても、そのうち間違って食べてくれるはずです。具が間違って口に入るのが何度も繰り返されることで、ネコさんが内臓に慣れ、食べ物と認識してくれます。(ただし好き嫌いの激しいネコさんの場合、慣れるまで年単位の時間がかかることもあるそうです・・・。)
- 冷蔵庫に入っていた缶詰を室温に温めておくと、香りが増して内臓の匂いを隠してくれます。一方で缶詰が温かすぎると、ネコさんが食べる前に内臓が溶けてしまい、匂いがきつくなって食べにくくなるので注意です。
- うちでは初めウェットフードを冷ためにしておき、ネコさんが食べる前に内臓が解凍されにくくしています。ネコさんが具に慣れた後は、具を解凍するためにウェットフードを室温にしています。
- カケラに切り分けた内臓を冷凍庫で長期間保存しておくと、冷凍焼けを起こします。内臓のカケラが冷凍焼けを起こすと、色が白っぽくなったり、見た目がシワシワになります。冷凍焼けは食品から水分が失われた状態で、腐敗とは異なります。冷凍焼けしたカケラは使っても大丈夫なのですが、食感や味が変わってしまい、鮮度も落ちるのでオススメできません。冷凍焼けを防ぐため、あまり多くのカケラを一度に作ることは避けた方が無難です。
オススメのウェットフード
ウェットフードの条件
- 内臓ボールに使うウェットフードは、匂いが強く、ネコの消化にいいものがオススメです。
- 缶詰の匂いが強ければ、それだけネコさんが内臓の具に気づきにくくなります。またウェットフードの原材料にレバーや腎臓が入っている場合、原材料の内臓の香りが具の匂いをうまく隠してくれます。
- ネコは人間よりも生肉由来の食中毒にかかりにくいですが、その理由の1つは消化の仕組みにあります。動物由来の食品(肉・骨・内臓など)と植物由来の食品(穀物・芋・豆類など)は異なる仕組みで消化されるため、炭水化物が高いウェットフードを生食と一緒に与えると消化器官に負担をかけるおそれがあります。
- 内臓ボールのウェットフードが植物由来の成分を多く含んでいると、具の内臓がうまく消化できなかったり、食物が必要以上に消化器官にとどまってしまいます。異なるタイプの食品を一緒に食べると消化器の問題が起こるネコさんもいます。また、ネコさんが食物をうまく消化できずに体内でガスが発生してしまうこともあります(ガスはゲップやおならで出るので、ガス自体に危険があるわけではありません)。
- 生食と他の食事を一緒に与えたとき、消化器の問題が起こるかはネコさんによる個体差が大きいです。缶詰よりも消化の悪いカリカリに生肉をトッピングしてもらっていても、特に問題が起こっていないネコさんもいます。
ジウィピーク
- 内臓ボールを作るときのオススメフードの1つは、ジウィピーク(Ziwipeak)というウェットフードです。ジウィピークの缶詰はすでに内臓臭いので(爆)具の内臓の匂いをよく隠してくれます(ついでに握っている手もいい匂いにしてくれます)。また原材料に穀物・芋・豆類・野菜を使っていないため、市販のフードの中ではネコの消化器官への負担が小さいと考えられます。
- ジウィピークの缶詰は赤身肉で作られたものが多く、鶏肉などの白身肉は今のところ使用されていません。ネコさんによっては赤身肉をうまく消化できないので、そのようなネコさんには鶏肉などが主原料のフードの方が消化に良いようです。
- ジウィピークはたまに原材料が変わりますが、その中でカラギナン、トリポリン酸ナトリウム、グァーガムなど色々な増粘安定剤を使用してきました。これらの添加物を摂るとお腹の調子が悪くなるネコさんは違うフードにした方がいいと思います。
- 赤身肉や増粘安定剤が平気なネコさんなら、現時点で日本で入手できるフードの中では、ジウィピークは内臓ボール用としてオススメ度が高いです。しかし値段も高いです(汗)
内臓ボールをあげたときの反応
- 新しい食べ物を警戒して中々食べないネコさんは多いみたいです。味よりも食感が変わるのが苦手というネコさんもたくさんいます。
- 初めは内臓を警戒して食べてくれなくても、ウェットフードを食べるついでに何度も口に入ることで気にしなくなっていきます。しかしネコさんによっては、新しい食べ物に慣れるのにとても時間がかかることもあるようです。一般的にネコさんが年をとっていて、過去に経験した食べ物の種類が少ないほど、新しい食べ物に慣れにくくなる傾向があるそうです。
- うちのネコさんは、レバーを初めて裸であげたとき、毒を盛られたような顔をしていました(汗)なので内臓ボールで徐々に慣れてもらいました。初めは内臓を警戒してゆっくり食べていましたが、途中から慣れてどうでも良くなったみたいです。1ヶ月後くらいには内臓ボールにいくつも具を入れても平気になりました。
- ネコさんが内臓に十分慣れた後、半解凍の内臓を使って魚油サプリで臭いをごまかしたり、ふりかけと併用することで内臓だけでも食べてくれるようになりました。その後は内臓ボールを使っていません。
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