キャットフードの天然着色料一覧

キャットフードに使われる天然着色料の一覧と、用途や毒性について。

キャットフードの天然着色料

  • キャットフードに使われる天然着色料は、合成着色料と比べてかなりマイナーです。天然着色料は合成着色料と同様に、キャットフードの見た目を良くするために使われます。
  • プレミアムフードをうたうドライフード(カリカリ)は、合成保存料の代わりに自然保存料を添加していることが多いです。しかし合成着色料の代わりに天然着色料を添加するプレミアムフードはほぼありません。保存料は賞味期限を保障するために絶対必要なものですが、着色料はフードの外見を良くするだけでネコには必要ないためです。
  • 天然着色料は、合成着色料ほど効果が強力ではなかったり、添加すると食品の味が変わってしまうことがあります。また天然着色料の中にも発ガン性の危険を持つものがあります。

天然着色料の一覧

着色料 用途 危険
カラメル色素
  • カラメル色素には複数の系統があり、褐色~薄い黄色に着色します。
  • コーラなどの清涼飲料や、多くの加工食品に添加されています。またペットフードにもたまに添加されています。
  • カラメル色素は砂糖と水を煮詰めることで家庭で作れます。しかし食品に使用される多くのカラメル色素は、アンモニアや亜硫酸塩と糖類を反応させることで工業的に生産されたものです。
  • JECFA(食品添加物専門家会議)は、生産に使用されたアンモニアや亜硫酸塩の有無に応じてカラメル色素を4種類に区分しています。例えばカラメル色素Ⅰはアンモニアと亜硫酸塩いずれも使用せずに生産された区分です。カラメル色素Ⅳはアンモニアと亜硫酸塩の両方を使用して生産された区分です(脚注1)。アンモニアや亜硫酸塩を使用した方が、カラメル色素を安く生産できます。
  • カラメル色素はネズミに対して毒性や発がん性を持たないと考えられています(脚注2)。
  • アンモニアを使って生産されたカラメル色素は、4-メチルイミダゾール(4-MI)という汚染物質を含みます。糖類とアンモニアの化学反応により4-MIが形成されます(脚注3)。
  • 4-MIは人間への発がん性が疑われています(脚注4)。また米国カリフォルニア州は4-MIを発がん性物質として認めています(脚注5)。
酸化鉄
  • 酸化鉄には酸化鉄(Ⅲ)や酸化鉄(Ⅱ)など複数の種類があり、それぞれ茶色、赤、黒などの色に着色します。
  • 化粧品、インク、ペンキなどに使用されるほか、たまにペットフードにも使われます。
  • 酸化鉄(Ⅲ)はよく鉄さびと呼ばれますが、実際は酸化鉄(Ⅲ)に水分子が付加した物質が鉄さびです。
  • 鉄は過剰摂取すると鉄中毒を引き起こします。
  • 着色料として使用される酸化鉄は微量です。酸化鉄は吸収されにくいこともあり、鉄中毒の危険は低いです。
酸化チタン
  • 酸化チタン(Ⅳ)は添加された物の白色や不透明度を強めます。
  • 主にペンキやニスの顔料として使用されます。化粧品や人間の食料品、ペットフードに添加されることもあります。
  • 酸化チタン(Ⅳ)は金紅石などの鉱物として自然界に存在します。
  • 酸化チタン(Ⅳ)は人間への発がん性が疑われています(脚注4)。酸化チタン(Ⅳ)の粉じんを呼吸や気管内への注入で摂取したネズミの気道に発ガンが確認されています(脚注6)。

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