卵白について
猫のフランケン生食で、生卵の白身を与えても大丈夫かについて。
白身に含まれるアビジン
- フランケン生食では、お肉や内臓に不足しがちな栄養素を補うために生卵がよく使われます。ネコに生卵を与えるとき、全卵を使う人と、黄身だけを使い白身を避ける人がいます。
- 卵白はアビジンという物質を含みます。ネコがアビジンを摂取すると、アビジンがビオチン(ビタミンBの1種)と結合し、ビオチンの吸収を阻害してしまいます。
- アビジンによるビオチン不足を予防するため、ネコに卵白は与えず、卵黄のみを与える人も多いです。余った卵白はお菓子のメレンゲ作りに使われたり、捨てられてしまうことが多いようです。
- 卵の黄身にはビオチンがたっぷり含まれるため、白身のアビジンによる吸収阻害効果は無視できると主張する人もいます。卵白のみを与え続けると危険でも全卵を使う限り大丈夫という考え方や、ビタミンBのサプリメントでビオチンを補給すれば全卵を使っても大丈夫という考え方などがあります。
- 色々な飼い主さんの考え方を大まかにまとめると、卵白のみを長期間与え続けることは危険、全卵を適量与え続けるのは危険でないといえます。卵黄のみを適量与え続けるのももちろんOKです。
- うちでは基本的に生卵の黄身だけを与え、白身はあげていません。理由はアビジンをなるべく避けるためと、卵に期待する栄養素のほぼ全てが黄身の方に詰まっているためです。たまに生の全卵をあげてみたこともありますが、ネコさんは黄身だけの方が好きなようです。またうちのネコさんは全卵1個が多すぎて、最後まで食べ切れません・・・。
卵白の加熱について
- 卵をネコに与える前に軽くゆでる飼い主さんもいます。軽くゆでることで白身に含まれるアビジンが変性し、ビオチンの吸収を阻害しにくくなります。軽くゆでただけの卵では、黄身は生のままなので、黄身に含まれる栄養素が加熱であまり壊れていません。
- 全卵を軽くゆでて与えるメリットは、余った白身を捨てずに済むことです。デメリットは少しでもゆで過ぎると黄身が加熱されてしまい、黄身の栄養価が落ちてしまうことです。
- 一方で白身を加熱しても、アビジンが完全に破壊されるわけではないと示す研究結果もあります(脚注1)。
黄身と白身の分け方
卵の殻を使う方法
- 生卵を片手に持ち、手の下にお椀を置きます。
- 卵を机の角などに優しく叩きつけ、殻にヒビを入れます。殻を半分に割り、割れた断面を上側にして持ちます。中身を殻からこぼさないように注意。2つに割れた殻のどちらかに黄身が入っているはずです。
- 黄身が入っている方の殻を少しずつ傾け、お椀に白身をこぼしていきます。さらに傾け、黄身がこぼれて落ちてきたらもう片方の殻で黄身を受け止めます。
- 殻に残っている白身ができるだけ少なくなるまで、これを繰り返します。最終的には、殻の中に残っているのが黄身だけになります。
手/スプーンを使う方法
- お椀を準備します。手で生卵を触りたくないときはスプーンも準備します。
- 卵をお椀の上で割り、黄身と白身をどちらもお椀に落とします。
- 指やスプーンを使い、黄身だけをすくい上げます。
コツ
- 新鮮な卵を使います。古い卵の黄身は潰れやすく、黄身と白身を分離している最中に混ざってしまいやすいです。
- 冷蔵庫で冷えた卵を使います。室温に置かれた卵の黄身は潰れやすく、白身と混ざってしまいやすいです。
- 各種レシピサイトやレシピ動画では、卵黄と卵白の分け方のさらに詳しい解説が見られます。
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