ネコに野菜は必要?

猫の手作り生食で野菜や果物は必要かについて。

ネコに野菜や果物は必要?

  • フランケン生食を含むネコの手作り生食を実践中の人の中でも、ネコに野菜が必要かは意見が分かれるところです。手作り生食で野菜や果物を加える人もいれば、ネコに野菜は絶対に必要ないと主張する人もいます。
  • 猫は真性肉食動物なので、ネコの体は植物の消化に適したつくりではありません。ネコは野菜や果物に含まれる炭水化物や食物繊維をうまく消化できません。
  • イヌは、真性肉食動物のネコと比べると野菜や果物の消化が得意といえます。キャットフードがドッグフードよりもお肉やタンパク質の割合が高いのはよく知られていますよね。しかし、イヌも本来は肉食ということで、イヌの生食を実践中の人にもイヌに野菜を与えることに反対の人は多くいるくらいです。
  • ネコが野生生活で摂取する植物は、獲物のお腹に消化されかけて残っていたものにほぼ限られます。(野生のネコが葉っぱなどをかじることはありますが、食べる量が少ない上、葉っぱは毛玉などを吐き出すために食べることも多いため栄養的にはあまり関係ありません。)ネコの本来の食事にも植物はほとんど含まれておらず、ネコがただ生きていくためだけなら、野菜や果物を食べる必要は特にありません。
  • 一方で、ネコの食事にごく少量の野菜や果物を加えることで、ネコが植物由来の栄養素の恩恵を受けられるメリットがあります。ネコが野菜や果物を食べることで、お肉に不足しがちな抗酸化物質、酵素、微量ミネラルなどを摂取することができます。
  • ネコの手作り生食では、市販の多くのキャットフードのように穀物や芋などを大量に使ったり、材料が野菜中心になることはありません。野菜や果物はネコの消化器官に負担をかけてしまうので、生食で加えられる量はごく少量です。またネコが栄養素をきちんと摂取できるように、野菜や果物はミキサー等でピューレ状にして与えます。

野菜・果物を与えるメリット

  • ネコが野菜や果物を摂取することで、お肉に不足しがちな抗酸化物質、酵素、微量ミネラルなどの栄養素を摂取でき、健康増進効果が期待できます。
  • 野菜や果物から摂取できる植物由来の栄養素は種類がとても多く、また新たな栄養素が今後も発見されていくと思います。これらの多様な栄養素をサプリメントで全て補うことはできません。
  • 野菜や果物をあげると糞が柔らかくなるネコさんも多いです。ネコさんが便秘がちだったり、生食で骨を与えすぎてしまった場合、食事に少量の野菜や果物を加えることで便が柔らかくなり排便しやすくなります。

野菜・果物を与えるデメリット

  • 野菜や果物の中には、ネコに与えると危険なものもあります。代表的な例は玉ねぎやネギ類ですが、他にもネコに食べさせてはいけない野菜や果物があります。手持ちの野菜や果物がネコにとって毒となるか分からないときは、インターネットや書籍などで大丈夫か調べてから与える必要があります。
  • ネコは野菜や果物の消化が本来苦手なので、ネコさんによっては、少量の野菜や果物をあげただけでも吐いてしまったり、下痢を起こすことがあります。特に高度に加工されたカリカリばかり食べていて、手作り食や野菜などは食べたことのないネコさんの場合、突然野菜を与えてもお腹が受けつけてくれないことがあります。そのような場合、今までの食事に野菜や果物をほんの少し加えてみて、徐々に量を増やすことで慣れてもらうことができます。
  • ネコは植物の消化が苦手なので、野菜や果物を食事に加えることでウンチが柔らかく、また臭くなってしまいがちです。生食を食べているネコさんはウンチの匂いがほぼしないことが多いのですが、野菜を加えることで匂いつきのウンチに戻ってしまいます(汗)食物繊維たっぷりの野菜を少しでも与えると、すごい匂いの糞をするネコさんもいます・・・。

キャットフードに入っている野菜や果物

  • 野菜入り、果物入りと宣伝されていたり、フードの味や原材料の欄に野菜や果物を記載したキャットフードは多いです。キャットフードに野菜や果物が入っているのは、多くの場合、消費者(猫の飼い主さん)にアピールするためであり、ネコの健康を考えてのことではありません。
  • 野菜や果物は人間にとって健康的な食べ物というイメージが強いです。そのためキャットフードに野菜や果物が入っていると、健康的なフードなのかと思って買ってくれる飼い主さんが増えるようです(通販サイトのレビューなどでも、野菜や果物が入っているフードを評価する声を見かけます)。
  • しかしキャットフードに入っている野菜や果物は新鮮な状態ではなく、高度に加工されています。ドライフードなら押出成形の過程で、ウェットフードなら缶詰にする過程で抗酸化物質や酵素などが破壊されてしまい、栄養面での質が激しく下がってしまいます。その他の栄養素の中にはフードの加工過程で破壊されないものもありますが、それらは他の原材料からも摂取できるため、わざわざ消化しにくい野菜や果物から摂取する必要がありません。
  • キャットフードに野菜や果物が含まれていても、そのフードが低品質とは限らないのですが、高度に加工済みの野菜や果物をネコさんが食べてもあまり意味はありません。ネコさんが野菜や果物の恩恵を受けるためには、生か軽く調理しただけの新鮮な状態で摂取する必要があります。

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